ウンチ我慢奮闘記 in電車
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「人は便意が限界の時にだけ、本当に神を信じる」 〜めいと〜(1998-)
先日、特急列車に乗っていた。
大阪から名古屋に向かうアーバンライナーという電車で、乗車時間はおよそ2時間半。
値段は新幹線よりもリーズナブル。時間や費用など、コスパを考えると凄く丁度良い。
僕は軽食をつまみながら映画を見たりして、悠々と名古屋までの往路を楽しんでいた。
1時間ほど経って名張に着いたあたりだろうか。
急に腹が痛くなってきた。
元々胃腸は弱い方で、朝や昼にご飯を食べすぎると高確率でお腹を下したりする。
「これはいかん」と思いつつトイレへと向かった。
この時点でのUGD(ウンチ我慢度)は20%程で、余裕を持って向かえば何ともない状態だった。
車両の連結部分に設置されているトイレに到着すると、先客が一人待っていた。
男女共用のトイレが各連結部に1つなので、埋まっていれば当然ドアの前で待つことになる。
喫煙室が隣にあるので少なからず人が通る場所でもあり、先客がいた上に僕も一緒にドアの前で待ってしまうと、通路を塞いでしまう形になってしまって良くない。
(まだ全然我慢できるし、ここは出直すか)
思い返してみるとこの判断が愚かだった。
素直に順番を待つか、別の連結部分にあるトイレに行けばよかったのだ。
座席に戻り、我が子を撫でるような手つきで腹をさすりながら時を待った。
不思議なことに便意というのは波があるもので、全然平気だなと思った時、急に強い腹痛が襲ってきたりする。
まさにそれがきた。
急激な便意だった。波が強すぎる。
ビッグウェーブだ。
「わしゃ伝説のサーファーかい!」とツッコミを入れたいところだったがそんな余裕はもちろんない。
急いでトイレへ向かうと、さっきとは別の女性がドアの前で立っていた。
「タイミングを間違えたか〜〜〜」と思い、少し脂汗を流しながらトイレの順番を待った。
この時点でのUGDは70%くらいである。
気を紛らわす為に"ドン・キホーテのテーマ"を永遠と頭の中で流したり、寿限無を唱えたりした。
それを見兼ねたのか、前に並んでいた女性が声をかけてくれた。
「こっち(のトイレ)空いてますよ。」と
僕には死角で見えていなかったのだが、実は奥にもう一つ男性用のトイレがあったのだ。
僕はウンチを我慢していることを噯にも出さず「あ、どうも」とめちゃくちゃ余裕なフリをしたが、心の中では女性にめちゃくちゃ感謝をした。
感謝っ.....! 圧倒的感謝.....!
クソリプでよく使われるカイジの地下編の画像くらい感謝をした。
意気揚々と扉を開くと、そこは小便器しか置いていないトイレだった。
ブン殴ってやろうかと思った。
男性用トイレなのだから当然といえば当然なのだが、その時はとてもそんな考えには至らなかった。小便器にウンチをぶちかますワケにもいかない。
しかし僕は女性にめちゃくちゃ余裕なフリで対応した上にお礼まで言ってしまったので、とても断れなかったのだ。
そのまま小便器しか置いていない男性用トイレに入り、時を過ごした。
ウンチがしたい。
しかし目の前にあるのは小便器。
腹具合は限界だった。UGDは97%。
神に祈った。
僕は学がないので神といえばキリストしか知らない。
キリストに祈った。ウンコカトリックだ。
「これはまずい」と思い、急遽トイレを出て、別の車両のトイレに向かった。
女性はどう思っただろうか、そんなことを考えている暇はない。
着いた別の車両のトイレは空いていた。僕は急いで駆け込み、めちゃくちゃウンチを出した。
間に合ったのだ。
神様、ありがとう。
今度家のトイレに花でもお供えしよう。そう思った。